キリの倉庫。

暇だけど暇じゃない。でも暇人、な奴の倉庫。

Since the I can not possibly understand.

ガラガラガラ。

木片を蹴散らしながらアリアは進んでいく。

「ちょっ・・・。」

えーいいのかなこれ器物損壊とかでしばかれるんじゃ・・・。

しかし突っ立っているのもあれなのでとりあえず村に入る。ただいま我が住処。

が、

「・・・なにかあったのか?」

静かだ。いや、普段からここはまさにのどかを絵にかいたような農村で、行ったことはないが都会のようなにぎやかさというものはないのだが。

「ノープログレムだ、って言ったろ?」

彼女は言う。

「待つのは嫌いだ、ともな。帰ってこない門番を待つなんて、馬鹿馬鹿しいだろ。」

わんこは別だがな、とこちらに首だけ向けて付け加えた。

いや、待て。状況が整理できない。

「なんで、みんないないんだ?」

そう。先ほどアリアがあれほどの騒音を出したというのに、誰も様子を見にこない。

それどころか、外を歩く人さえ見られない。

まるで、

「神隠し、みたいだな。」

いいながらアリアは目についた家のドアを開け、入っていく。まだ混乱しているが、俺は彼女の後についていく。

中は小綺麗だ。干したままの洗濯物、子供が遊んでいたらしい、おもちゃの怪獣が二つほど転がっている。机の上には瑞々しい果物。キッチンには洗いかけの皿。

「生活の跡がそのまま。荒らされた跡、血痕もなし。住人自ら出て行ったとも考えにくいなこりゃ。」

棚から財布を取り出してこちらに投げてくる。なかにはそれなりの金額が入ったままだ。

「まぁ私は探偵でもなんでもないからな。神隠し、これだけ分かれば十分。」

財布を戻して、家から出る。やはり誰もいない。

「神、隠し、て」

「最近話題の怪奇事件。ここまで情報は来てないかな。全世界で多発、とまではいかないがそこそこ起こってる。神隠しはまだましだな。死体がないだけ。」

「・・・したい?」

「おう。撲殺刺殺惨殺えとせとらえとせとら。肉片と化してることもあるし血みどろと化してることもある。村そのものが消えたっつー例もある。」

聞かなきゃよかった。

「え、いや、え?だって今日、朝まではちゃんと」

「混乱するのもいいがな、現実見てくれ、そこに死を携えて立ってるから。」

アリアが指差した先、村の中心の広場。

黒。を身にまとった人間が1・・・2,3。

覆面で目が見えているかは分からないが、おそらくこちらを見ている。

「剣、持っておけ。一応な。」

どこから出したのか、ありふれた剣を渡される。

「片付けますか。」

にやり笑う彼女は、まるで悪役のようだった。

 

だれか、これは夢だといってくれないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Since the I can not possibly understand.

(俺には到底理解ができないので。)