キリの倉庫。

暇だけど暇じゃない。でも暇人、な奴の倉庫。

レギオンズΣ日誌2 byキリ

「やぁこんにちは!本日は我がギルドの記念すべき第一期入団式へのご参加誠にありがとうございます!じゃあサクッと面接しちゃうよ~」

「……はい」

あのあと。
ギルド長だという人がなんともビックリな登場をしたあと。(どうやらあれは入団式の一興だったらしい)
私を含めホールにいた面接希望の人々は面接室だという所に移動した。
そこはたくさんのドアが廊下にずらりと並び、なんとも無機質に感じられる所。
(少年……ギルド長曰く「できたてほやほやだからまだインテリアに手を出していない」とのこと)
そして一人一人、それぞれ別の部屋に案内された。
中にはミニテーブルと、それを挟むように一人掛けのソファが向かい合った状態で置いてあった。
そしてそこで待機するようにという指示。そして部屋を出ていくギルド長。
おそらく他の入団希望者の案内に行ったのだとは思うが……一分もしないうちに彼はまたやってきた。そして冒頭に至る。

……はて、私より先に案内された人はもう面接を終えたのだろうか……?
素朴な疑問。

……ま、いいか。
それより今は、自分のことを考えよう。





「えーと、キリさん、ね。苗字は空欄、住所はちょっと住宅街を外れたところの廃墟。ほほぅ、ちょっと前まで傭兵さんだったのか。そして能力は無し、ね。パッと見10代後半から20代前半くらいかな?あと女の子だ。でも世の中見た目じゃわからないしね~」

「……そうですね」

団長がさらさらと経歴書を読み上げる。なるべく素直に書いたつもりだったが……これは、我ながら怪しすぎないか?
せめて苗字は埋めるべきだったか。いやでも、あれ好きじゃないんだよなぁ……。

「特技なんかはあるかい?」

悶々としているところに団長に質問され、ハッと我に返る。

「特技、……ナイフ投げですかね。狙った場所に当たる程度です。ただ、ナイフ自体が重くて持ち運びが効かないので、あまり好きではありません。疲れますし。あと傭兵時代に諜報部にいたので、スパイの真似事なんかもできます」

「へぇ、いいね!入団OK!」

「は、」

「じゃあ僕は次のところに行くからね~。この部屋はそのまま君の自室ってことになるから、あとは自由にしていいよ。じゃ、解散!」

言うなり、ギル長はぴゅー、という言葉が似合うように部屋を出て行ってしまった。行動が早い。
しかし、ずいぶん簡単に許可がもらえてしまった。

そんな適当で、大丈夫か……?

すごく、不安です。主にここの警戒心の無さが。








とりあえずギルドの中を散策しようと部屋を出る。
すると、隣の部屋からも人が出てきた。

「あ、どーも」

挨拶をする。お隣さんは身長の高い男の人で、目つきが鋭い。これは感だけど、たぶん戦闘要員の人だろう。

「……お前も、もう合格したのか?」

「はい。も、てことはあなたもですか」

「そうだ」

「……あの、ちょっとお尋ねしてもいいですか?」

「なんだ」

「面接終わってすぐに部屋を出ました?それとも部屋で適当に時間を潰してから?」

「すぐに出た。部屋に暇を潰すものなんかなかったからな」

「……左様ですか」

ということは、ほぼ同時刻に面接が終わっているということ。

(やっぱあのギルド長、なんかしらの能力者かな)

なんとなく納得できるものがある。

「俺の名前はアデルだ」

唐突な自己紹介!?

「あ、はい!私はキリと申します!」

「……さっきから思っていたが、少し硬すぎないか。同期に対する話し方じゃないだろう」

「あー……こういうのは慣れっていうか、なんというか。そのうち砕けますんで、気にしないでください」

「そうか」

そこまで話すと、アデルさんはさっさとどこかへ行ってしまった。

「……ちょっとぶっきらぼうだけど、悪い人ではなさそうだな」

さて、これからどうしようか。
散策と言っても、どこに何があるか分からないし。地図があるわけもない。

ま、いいか。
また誰かに会うまでふらふらしていよう。

そういうわけで、私のここでの生活が始まったのでした。
















あとがき

お久しぶりですキリです
いつぶりの更新だよ。自分でも思いますよ。ええ。
おまえが!!ソシャゲにハマってる間に!!腐り果ててる間に!!一年近く経ってるじゃねーか!!ごめんなさい!!!!キャラ間違ってたらごめんなさい!!!!

そんなこんなで生きてます。生存報告、以上です。











……ところでFate/Goやってる人ー、挙手。