レギオンズΣ日誌 byキリ
その広告を見たのは、偶然だった。
【レギオンズΣ 団員募集中!!】
「・・・なにこれ。」
食料の入った紙袋を抱え、私は思わず独り言を言った。
だって、目に入った広告があまりにも。なんというか、おかしいというか、・・・そう、突っ込みどころ満載だったのだ。
広告のど真ん中では黒いジャージの少年がニッコリ笑顔でピースをしている。今にも「てへっ☆」と聞こえてきそうだ。
その上部にセロハンテープが一つ、ペタッとくっついてる。
ちょっと斜めっていて読みずらい。
今私がいるのはとあるショッピングモールで、その簡素な張り紙はかなり浮いていた。
・・・れぎおんず、なぁ。
レギオンズといえば、・・・レギオンズと言えば、・・・。よく分からない。
最近できたギルドであり、特殊な人がいる、ということだけは記憶している。
あー、ほかにもなんかあったかな。なんだっけ。
世間に疎いな・・・。もちょっとテレビとか見た方がいいかな。
考えながら広告に目を通していく。
【戦闘員、作業員、清掃員、なんでも募集中!加入者は書類を持って本部まで!】
書かれているのは、ここまでだった。
「適当だなぁ。なんにも読み取れん・・・書類ってなんだ、どこよ。」
一人呟く。
・・・ま、面白そうだな。【なんでも】か。私でも入れるだろうか。
「もらってこ。」
ピッ、と広告をはがす。住所をメモするのがめんどくさい。
「・・・なるほど。」
はがした時にちらりと見えた広告の裏、それに納得する。
そこには氏名、年齢、能力などを記入する欄が印刷されていた。
******
はじめに自己紹介でもしておこう。
私の名前はキリ。ちゃんとした苗字名前もあることにはあるのだが、しっくりこないのでこれで通している。
特筆すべきことは・・・あるにはある・・・いや、ない?よく分からない。
世間の価値観はよく分からないのだ。
まぁ、気が向いたら話すかもしれない。
性別、女
年齢、・・・10~30ということにしとくか。特に意味はない。
性格?文章を読んだら大体分かるんじゃないかな。
・・・あと何を書けばいいんだろ。いいや、これで。
******
広告の裏を全て埋め、「レギオンズΣ」の住所に行くと、それらしい建物があった。
・・・こんなのここにあったっけ。見覚えがない。
しかたがない、なんでもありだ。この世界は。考えながら扉を開けた。
・・・人少なッッ!!
第一印象、終了。
最近できたギルドとは知っていたが・・・もしかしてまだ誰も入団してない状況かな?これは。
ロビーにらしき場所に机や椅子が適当に置かれており、待機しているのであろう人たちがそこに座っている。しかし空席が目立つ。
・・・明らかに普通でない人ばっかだな。人の事言えないが。なんか怖い人とかいる。・・・あ、かわいい子もいる。
とりあえず座って、・・・座った。無言。なんだこの空気。静かだ。
全員どうしたらいいか分からない状態だろこれ。
(不安だ・・・。)
安易に就職先を決めるべきでなかったかもしれない。
思った矢先、
バンッ!!
「「「!?」」」
照明が落ちた。
沈黙から一転、急に周囲がざわめきだす。
・・・待って待って、なんか刀を抜きだす音とか銃を構える音とかよく分からない音とかするんだけど。絶対戦闘員(予定)の人だよね。暗闇の中で聞くとすごい怖いんだけど。
まぁ私も仕込みナイフを構えますが。便乗便乗。
カッ!!
今度はなんだ!!スポットライトだ!!なに照らしてんだ!!
ライトの下を見ようとしても目が慣れなくて全然見えない。チカチカする・・・。
「はぁい!!レディースアーンドジェントルメーン!!ようこそレギオンズΣ、記念すべき第一期生のみなさん!」
・・・はい?・・・あ、チラシのジャージ少年。
「あ、とりあえず面接っぽいことするから一人ずつ来てー」
自由だなおい。
・・・とまぁ、これが私の初めてのレギオンズΣでの体験、ということになる。
*****あとがき*****
スフォルさんのキャラこんなんでいいんですかね・・・。
多分彼はちょっと浮かれています。ちょっとハイです。
お久しゅうございますキリ(作者)です。
レギオンズ日誌、書きたいとこだけ書いてくつもりです。
昔のことを思い出しながらなのでおかしなところが多々あると思われますが、お付き合いいただけたらと思います。
それでは今回はこれにて。