キリの倉庫。

暇だけど暇じゃない。でも暇人、な奴の倉庫。

I didn't mean anything by that.

「あうあうあうあぅ・・・。」

地面にうつ伏せになって、私は呟く。

汚れるとか、あごにあたる石が痛いとか言ってる場合ではない。

「・・・ううぅ。」

さっきから母音しか発してない。

 

・・・ぐぎゅるるるるぅぅ・・・・・。

 

代わりに腹が擬音を発する。

アリア・レべシェアト、うら若き10代の少女。

私は今まさに食料難に陥っていた。

 

******

 

「・・・あの時シイラになんかいわれたっけなぁ・・・なんで聞かなかったんだ私のばか。」

なんでといっても、原因は私の性格のせいであることは分かっている。

短期で、人の話を聞かない。そして大抵失敗する。

なんて単純明解なんでしょう。

・・・でも食料くらい持ってくべきだったなぁ。

周りは木、木、木。

いきものがいるかもわからない。

あの時、家・・・もとい仕事場を発つ際、一応私は上司(というのは大変不服だが)に旅に出ると断わっておいた。

そのときに食料とか、着替えとか、武器とか、心配だからとらんすすーぱーなるものを持って行けといわれた。

まぁ武器ととらんくしーぱーというものは持ってきたが、この状況ではなんの役にも立たない。

すぐに町とか村とかあると思ったんだけどなぁ・・・。つめが甘かったようだ。

あぁ回想なんかしてる場合じゃない・・・。

腹が減った腹が減った腹が減った・・・ハ ラが   へ

 

・・・ッハ、まずいまずい意識が飛びそうだった。というか現在進行形で飛びそうだいかんいかんここで死ぬなまだ主人公としてちょこっと紹介されただけじゃないかつーかこの話私が腹減った言ってるだけじゃないか大丈夫か?大丈夫だ、問題(しか)ない。

うわああまずい視界がぼやけるだめだここで死にたくない誰か救世主はいないのかもうこの際ヘビでもさばくからダ レカ

 

ガサッ

 

・・・。

 

 

*****

 

 

 

「平和だなぁ。」

春らしいぽかぽかした気候のなか、オレは呟く。

 

数時間歩いたため、休憩しようと森の中で少しひらけた場所で腰をおろす。

横に食材が入った紙袋を置き、カバンから水筒をとりだす。

「あと十分くらいで帰れるかな。やっぱ、田舎だと不便だな。」

そんなことをぼやきながら、水筒の水を飲む。

 

あー平和だ。我ながらじじくさいと思うが、まぁそう考えるのもしょうがない気がする。

どこの国がどこの国と戦争を始めたとか、内乱が、革命がとかいうニュースが昔はよくあったらしいが、現代のこの世界ではあまり聞かない。

というか、この地域が平和すぎんだよな。東の王国では王による政治に国民が革命を起こしそうだとか聞いた。

まぁ、いまのところオレには関係ないんだろうな。

オレは水筒をしまった。

 

ガサッ

 

・・・?

 

ガサッ、ガサ、ガサッ

 

「・・・なんだ?」

 

ザ、ザ、ザザ、ザ、ガサッ

 

・・・不気味だな。結構近くになんかいるんだと思うけど。

とりあえず音のした方にじっと目を凝らす。

 

・・・シーン・・・・・。

 

・・・音が消え

「・・・ミー、ツ  ケタ。」

 

 

ヒタリ。

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、平和なはずの森に悲鳴が響いた。

 

 

 

 

 I didn't mean anything by that.(悪気はなかった。)

 

 

 

 

 

 

 

*****

あとがき。

 

キリです。夏休みに入りました。机に真っ白な紙がいっぱいあるんだ。落書きしていいのかなこれ。

 

第三話です。題名は、たぶんアリアが「オレ」に対して言った言葉です。

彼の名前は・・・まぁ、次書きます。

 

毎回短くてすみません。では、これにて。